愛のカタチ
こんばんは。
本日はまずセリカ(ST162C)の御紹介。
ST162ってどのセリカ?
これです。
直線基調のシンプルなマスク。
リトラクタブルライトが絶滅した現在ではとても新鮮に見えます。
明確に目玉がないと表情が出ないので、いかにもメカっぽくてかっこいいんですよね。
サイドには「Convertible」の文字が。
コンバーチブルなのは見れば分かりますが、それでもあえて書くのがこの時代のトレンド。
「DOHC」だの、「TWINCAM 24VALVE」だの、「EFI」だの、各社様々な文字が躍っておりました。
バブル期における日本車特有のアピールかと思われがちですが、
イタリア車だって「クワトロバルボーレ(4バルブ)」だの、「ビトゥルボ(ツインターボ)」だの、
結構お好きなようですよ。
マセラティ・クアトロポルテなんて、「トヨタ・4枚戸」みたいな感じですから、
なかなか思い切ったネーミングです。
日本人からするとお洒落に聞こえますが、イタリア人的にはどうなのでしょう、4枚戸。
ものすっごく大変でしたが、何とか張れました。
ちなみに、幌の開発は毎度私を悩ませてくれるアメリカ・ASC社でございます。
ちょっと昔の、マスタング、サーブ、ポルシェ、セリカなどなど、張りにくい幌はみんなASC社製!
他の幌屋さんに聞いても「やりたくない」と口を揃えて言われるくらい極悪な作業性なのであります。
店長大好きカルマン社!
店長大嫌いASC社・・・
しかし、迷えるオープンカー乗りを救うため、やるしかない!
ワシがやらねば誰がやる!まぁ誰かしらやるでしょうけど・・・
なるべく頑張ります。
さて、セリカの後ろにいる黄色いのは・・・・
トヨタの後輩オープンカー、MR-Sです。
セリカちゃんは古いなりの味わいを残しつつ愛情を注ぎ大切にされおりますが、
こちらはまた別の方向性で愛情を注がれておりまして、
ボディ以外、あらゆる箇所を片っ端から部品交換されております。
劣化しやすいライト類はもちろんのこと、
エンジン、トランスミッション、
ホイールに内装パーツ、ガラスまでみーんな新品交換!
その額なんと300万円也!!!
新車で186万円のクルマを新車同様に戻すために300万円を掛ける。
私には絶対出来ませんが、こういうの大好き。
300万かけたって、もし売るとしたら査定+10万円くらいではないでしょうか。
「綺麗に乗られてますねー」の一言で終了。
でもいいんです!
真の男気、溢れかえっているではありませんか!
周りにどう思われようと、やりたいからやる、ただそれだけ。
見返りは何も求めない。
これこそ道楽の真髄ってやつです。
ホイールだって純正の新品同様品が付いています。
店長「ああ、ホイールも替えたんですね、ピカピカですもんね」
オーナーさん「いや、これから替えるんです」
「えっ、だってこれ新品同様じゃないですか」
「いや、ほら、こことか見て下さい、キズがあるでしょ?」
「はぁ・・・」
といった感じの会話が、何度も繰り返されました。
車体のそこかしこで。
まだまだ色々気になるところがあるようですので、
是非このまま順調に突き進んでいただければと思います。
続きましてこちら。
メルセデスベンツ・CLKカブリオレ(A208)です。
純正の黒を、TwillfastRPCのボルドーで張り替えました。
金額は全部込みでだいたい17万くらいです。
ボルドーは特別色ですのでちとお高いですが、黒とかならもっと安く出来ますよ。
最初、「どこからか雨漏りするんで調整してもらえますか?」とのことでご来店いただきましたが、
水を掛けながら検証してみたところ、生地のラバー層が劣化して、そこから染みこんでいることが判明。
じゃあもう寿命ですね、ってことでそのまま幌交換のご依頼を頂きました。
生地表面に気泡が入ったようなポコポコがある場合、
その部分はラバーが劣化して生地が分離してしまっている状態です。
ぱっと見綺麗でももう寿命ですので、張替えをご検討ください。
今回で2回目ですので前よりスムーズに進みました。
ちなみにこちらの幌、残念ながらそのままポン付けあら簡単、とはいきません。
色々と工夫、調整が必要です。
気の利く幌屋さんならどうにかすると思いますが、
普通の自動車屋さん、ましてやDIYでは少々難しいかもしれません。
というわけで、ぜひ交換作業もセットでご依頼ください。
それと・・・
交換した古い幌がだいぶ溜まってきたので回収に来てもらいました。
何十台分かあると思いますが、意外とコンパクトにまとまってしまうものですね。
ロープでくくって、クレーンで一気に積み込みます。
幌のほか、これどうやって捨てたらいいの?というようなものもついでに持って行って貰います。
土砂以外ほとんど処分してもらえるのでラクチン。
もちろん、怪しいもぐりの業者ではなく、行政の許可を得た正規の産廃処理業者さんです。
このあとどうやって処分するのだろう。
一個一個手作業でガラスと幌布を分けていくのですかねぇ。
なかなか骨の折れる作業だと思いますので、処理費用が高いのも仕方の無いところです。
それでは、また。