日記
こんばんは。
今回御紹介するS2000は、とにかくやたらと綺麗。
ボディも当然綺麗だし、室内も「触れていいのだろうか」と悩むくらい超綺麗。
普通、見えるところだけ綺麗にしてあっても、
内装パーツを外すと内部は砂ぼこりだらけ、というパターンも結構多いですが、
こちらの車両の場合、どこを外しても漏れなくみんな綺麗。
じゃあ超低走行車なのかというと、そういうわけでもない。
既に4万キロ以上を走行しており、普通に乗っていればそれなりに使用感が出てきているはず。
なのに、超綺麗。
が、しかし、
幌を外すと、隠れていた部分には年式相応の汚れが見られました。
レインレール内部もほら。
この泥の付着具合を見るに、完全ガレージ保管とか、雨天未走行とか、
非常に恵まれた環境で過ごしてきた車両ではないことが伺えます。
なのに・・・新車のように超綺麗。
これはいったい何なんだ?
こんなに綺麗なのに、オーナーさんは幌周りの部品を片っ端から新品交換したいとおっしゃいます。
まぁ、ご本人が望むらなら、ということで、
ウェザーストリップ類やモールを次から次へと交換していきますが・・・
やっぱりおかしい、こことか、どこからどう見ても新品同様です。
まるで数日前に交換したのではなかろうかというレベル。
ここもほら、超綺麗。
恐らくサイドケーブルも交換してあります。
こんなに綺麗だったら替える必要は全くないじゃないか。
ってか、「部品替えときました~」って言って実はそのままで、
ちゃっかり部品代だけ貰う、なんてこともやろうと思えば出来ちゃうレベル。
はっ!
ここで店長気付いた、これは罠です。
私を陥れるための罠。
わざとこのような超絶綺麗な車両の部品交換を依頼することで私を試しているのです。
そして万が一上記のような不正をしたら、ここぞとばかりにネットに晒し上げ当店の信頼失墜を狙う、
巧妙に仕組まれた罠なのです。
なんと恐ろしい・・・・
というわけで、オーナーさんに「部品、超キレイなんですけど・・・」と素直に電話確認。
「ムハハハハ!よく見破ったな!!!」
とは言われませんでした。
お話を聞くとこちらの車両、とてもこだわりのある中古車屋さんで購入されたそうで、
内装は全て外して徹底クリーニング、部品もちょっとでも劣化が見られるものは片っ端から新品交換、
エンジンでさえも全部分解して再調整(まだ4万キロなのに)、という、
超変態的こだわり仕上げが施された車両なのでありました。
部品交換しまくりで、もはやオーナーさんもどこまで交換したのかよく分からない。
そんな状態なのに、さらに私のところへ「部品は片っ端から交換してください」とやってくるという・・・・
もう、何がなんだか・・・お店も、オーナーさんも、変態だー!(褒め言葉)
というわけで、すでに交換しているであろう部品はもったいないのでとりあえずそのままに、
取り寄せた部品は「そのうち絶版になるかもしれないので」とのことで持って帰られました。
その超絶仕上げのせいでお値段も新車並みだそうですが、
既に絶版となってしまった今、この新品同様の名車が手に入るのならば、
それはそれでよろしいのではないかと。
いやあ、いろんな商売の仕方があり、また、それにフィットするお客さんがちゃんといるものなのですね。
こんなに素晴らしい車両ですから、幌のほうも徹底的にこだわって仕上げさせていただきました。
自分で言うのもなんですが、どこに出しても恥ずかしくないレベルです。
クリップ類も全て純正部品で新品交換。
ビスも一つ残らず、完璧に元に戻しました。(元々いくつか欠品がありました)
この場ですぐに他の幌屋さんに再分解してもらっても、恥ずべき点は一つもない、はず。
ちなみにこちらはウェザーストリップの新旧比較。
左が新品、右が使用済みです。
見て分かるとおり、新品はガラスが当たる部分の凹みがありません。
車両に取り付けてしばらくすると右側のようにガラスに沿って凹みが出来てきて、
よりガラスにフィットするようになってくるのです。
というわけでウェザーストリップを新品に換えると、
最初のうちはかえって雨漏りが発生しやすくなる場合があります。
ですから通常当店では「漏れていない限りはむやみに交換しないほうがいいですよ」とお伝えしております。
ウェザーストリップは幌交換時でなくてもいつでも交換できますから、
漏れるようになってきてから交換すればいいと個人的には考えております。
逆に、レインレールとリヤのモールは幌張替え時にしか交換出来ません。
ですので、これからも長く乗るつもりだという方はモールだけは交換しておくことをお勧めいたします。
レインレールについては、当方に幌交換をご依頼いただければ、
徹底した止水処理を施した上で再利用させていただきますのでご安心ください。
S2000のレインレールは非常に頑丈ですので新品交換する必要は全くありません。
象に踏まれようがダンプに轢かれようがへっちゃらなくらい丈夫です。
誰か試してみてください。
それでは、また。