ルーズ
おはようございます。
今回は珍しく朝から更新。
こちらは前回紹介させていただいた987ボクスター。
まだきれいなブラウンの幌をボルドーに張り替えました、とご紹介させていただいたところ、
すぐに、「外した幌を譲ってくれませんか?」と問い合わせをいただきました。
新車時からずっとブラウンの幌にしたくて、いつも当店の日記をご覧頂いていたのだそうです。
そしたら偶然にもずっとあこがれていたブラウンの純正幌が出てきた、と。
なんとまぁタイムリーなことがあるものです。
というわけで、純正のブラックから純正のブラウンに張り替え。
内装がタンカラーなので相性もバッチリ。
オーナーさんは新車で購入されましたが、在庫車の中から選んだため黒の幌しかなかったのだそうです。
ポルシェは様々なオプションを全部自分で選んでフルオーダーできるのですが、
そうするとどうしても時間がかかってしまうんですよね。
多少の折れジワなどはありますが、まだまだ奇麗です。
純正なのでフィッティングももちろんバッチリ。
旧オーナーさんはいらない古い幌が売れてラッキー、
新オーナーさんもずっと憧れていた純正ブラウン幌が安く手に入ってラッキー、
そして私も2台分の幌交換費用が頂けてラッキー、
という、Win-Winならぬ、Win-Win-Winの関係となったのであります。
う~ん、経済が回っているのをヒシヒシと感じます。
さらに新オーナーさん、「外した黒い幌はもういらないので店長さんに差し上げます」とのことで、
図らずも、まだまだ奇麗な純正ブラック幌をゲットしてしまいました。
なんだかもう、わらしべ長者みたいですね。
というわけで純正ブラック幌、好意で頂いたものを転売するのも下衆な感じですので、
工賃だけいただければ取付させていただきます。
987ボクスターで幌が傷んで気になっている、という方、ぜひご検討ください。
ちなみにこちらは幌サイドの引っ張り具合を調整するゴムストラップ。
ゴムに最初から切れ込みが入っておりまして、引っ張り具合を簡単に調整できるようになっているのです。
なかなか手の込んだ作りですね。
続きましてこちら、996のカブリオレ。
スクリーンが傷んでいたので、純正と同じ黒の幌で張り替え。
黄色ボディでホイールが黒ですし、やっぱり幌も黒がいいでしょうね。
前から見ると、あれ?997顔になっております。
996の幌交換のつもりでいたのに、待っていたら997が来たのでビックリ!
ヤベ!発注間違えた!!!と思ったら、997のヘッドライトを移植してあるのだそうです。
といっても形状的にヘッドライト移植だけでは済まないので、
フェンダーもバンパーも専用品に交換(加工?)してあります。
なかなか手の込んだカスタマイズですね。
996の涙目ヘッドライトが気になる方にはお勧めかもしれません。
それなりに費用はかかりそうですが。
こちらはサイドケーブルを固定しているリベットが折れてしまっておりました。
かなり太く、そうそう折れそうにはない感じなのですが、この症状はたまに見かけます。
常に引っ張りのストレスがかかっている部分ですので、長期的にはこのように折れてしまうようです。
若干の白錆も見受けられましたので、そちらの影響もあるかもしれません。
というわけで再度リベットで固定。
普段よく使う4.0mm径のものより大きい4.8mmのタイプを使用します。
こちらは骨の位置を正しい方向に導くためのガイド。
本来は硬質ゴムのカバーが付いているのですが割れてなくなってしまっています。
これもたまにある症状で、これが無くなると途中で引っかかってバキンと異音がしたり、
骨組が正しい位置に納まらず、写真右側の骨のように傷が入ってしまったりします。
この部分は左右1セットで部品が出ますので、オーナーさんには交換をお勧めさせていただきました。
さすがのポルシェでもそこまでは高くなく、数千円で手に入りそうです。
こちらはプジョー306カブリオレ。
同車種は今まで何度か交換させていただいていたのですが、
紹介させていただくのは初めてかもしれません。
こちらは電動開閉が今一つちゃんと動かないため、各部を点検していきます。
といっても調整できるところはほとんどなく、
写真部分のイモネジを回して幌後部の突っ張り具合を調整します。
多少コツはいりますが、とりあえず最初から最後まで電動で開閉できるようになりました。
そのほか、ヘッドライナーのサイドプレートも割れてダメになってしまっていたので、
部品を探してまた後日調整予定です。
こちらは最近中古で入手されたというボルボのC70。
元の幌は純正のブルーでしたが、なぜかペンキ?で白く塗られていました。
塗装にヒビが入り少々悲惨な状態でしたが、幌交換で外装はすっきりさっぱり。
幌交換をしていると普段は見えない部分にも手を入れていくわけですが、
こちらの車両は過去の保管状況がかなり良好であった様子がうかがえました。
あとは内装に手を入れれば、かなりいい車に仕上がりそうです。
タイヤも比較的新しいミシュランを履いておりますし。
タイヤにお金をかけてある車は、そのほかの部分もしっかりメンテしてある可能性が高いように思います。
何故かというと、いいタイヤを履いている輸入車は、
基本的にディーラーさんに言われるがままに整備していた可能性が高く、
その他の部分もディーラーさんに言われるがまま、メンテしていた可能性が高いと考えられるからです。
輸入車であれば、ミシュラン、コンチネンタル、ピレリ(p-zero系)、
ブリヂストン(ポテンザ・レグノ系)のきちんと溝があるものを履いていると、個人的にポイント高しです。
かくいう私は、安めのタイヤばかり履いていますけど。
こちらはNAロードスター。
白っぽく見えるボディですが、よく見ると淡い水色になっております。
それに合わせてブルーのフィルムを貼りました。
サイドミラーもブルーミラーに変更されておりまして、統一感がよりいっそう高まりました。
こちらはシボレー・カマロ。
分かってはいましたが、もう、本当に本当に大変で・・・・・
付けては外し、付けては外しを5回ほど繰り返し、やっとこさ仕上がりました。
一応取り付け位置のマーキングがしてあるのですが、結局3cm近くずれていましたね。
なんなんでしょう、この誤差の大きさっぷりは。
カマロ、セリカ、ソラーラ、サーブ900など、私の苦手な車の幌開発はみんなASC社。
前にも言った気がしなくもありませんが、
ASC社というのはAmerican Specialty Carsというアメリカの架装会社でして、
既存の車の屋根をぶった切ってオープンカーに改造することを得意とするメーカーなのですが、
その成り立ちのせいか、非常にワンオフチックなつくりの幌構造となっておりまして、
現車に合わせて如何様にでも調整できる反面、明確な基準がなく、
どこに合わせたらいいのやらさっぱりわからん、という実に幌屋泣かせな幌なのであります。
もう、本当に、勘弁してください、、、という感じです。
こんなの一発でバッチリ決められる人がいたら、ぜひ見てみたいものです。
マーキングと全然違うなんて、どうしようもない気がするのですが・・・・
しかも同じ車種でも毎回ズレ具合が異なるという。
他の幌屋さんもかなり泣かされているようです。
それでは、、また。