店長月記

ご無沙汰しております。

店長日記はだいたいいつも、ご無沙汰しております。

 

こちらはゴルフIVのカブリオレ。

幌は持込品です。

この手のリアフレームを引っ張り出す構造の場合は、養生がとても重要。

フィルムを貼って、毛布をかぶせて、さらにスポンジ状のマットを載せています。

このマットは非常にいいですね、

毛布ほどの柔軟性はありませんが、

耐貫通性と、隙間確保の面では非常に有効です。

 

フレームの先っぽはエッジが効いているのでこちらもタオルでぐるぐる巻きに。

左右どっちかを作業していると反対側への意識がおろそかになりがちですが、

ここまで防御しておけば少々のことではへっちゃらです。

 

こちらはアウディTT。

TTの場合はうしろのストッパーを外すのに少しだけ引っ張り出す必要があります。

このストッパーさえなければ、だいぶ楽なんですけどねぇ。

ちなみに写真の黒い布テープは厚みと粘りがあり、なかなか防御力が高いのですが、

ボディに直接貼るには少々粘着力が強すぎるので、養生テープを貼った上から2重に貼っています。

残念ながらゴルフもアウディも、完成写真は撮り忘れました。

 

こちらは、なんだっけ、ベントレーコンチネンタルGTCです。

ケーブルの取り回しが複雑なので、記録用に撮った写真です。

特に面白みはありません。

 

こちらもまた完成写真は撮り忘れました。

せっかく初めてコンチネンタルGTCの張替をしたのに・・・

 

こちらは幌メーカー提供の参考写真。

 

さて、GTCの幌を制作するには現車の純正幌を外してまず幌メーカーに送らないといけません。

なぜなら、ガラスや各種アタッチメントを純正幌から移植する必要があるからです。

そうなると預かりが非常に長くなってしまいます。

早くても2~3週間はかかります。

大変ですね。

こちらとしても置く場所がないので大変です。

 

が、現在当店ではGTCの純正中古幌を手元に1つ確保しております。

ということはどういうことかと言いますと、

現車の幌を外して送らなくても、在庫の中古幌を送って幌を作成してもらえるので、

預かり期間が短くて済む、ということなのであります。

交換作業は2~3日あれば終わります。

これならば、だいぶ楽ですね。

また、純正のガラスを再利用するので、バッチリベントレーのロゴも入っております。

せっかくの高級車ですからね、そのほうがより価値があると言えるでしょう。

 

ちなみに、交換時に外した純正幌は、またどこかの誰かの幌に再利用されます。

まわるまわるよ、幌はまわる。

 

なお、費用は・・・残念ながら、ということもないのですが50万円くらいかかります。

特別複雑なわけでもないのですが、数の出ない高級車ですから仕方ないですね。

メーカーもボランティアではありませんから、開発費をきちんと回収しなければなりません。

それでも純正に比べたらだいぶリーズナブルですし。

 

構造的には同じカルマン社製のアウディA4とかなり似ています。

弱点までそのまま同じで、ガラスは剥がれるし、前後の接合部も剥がれるし。

高級車といえどもそのあたりは容赦ありません。

こないだ見たA5カブリオレもやはりバッチリガラスが剥がれておりました。

伝統は着実に受け継がれております。

 

で、こちらはうちのアウディA4のフロントロックモーター。

段々動きが悪くなってきて、ついにまったく動かなくなってしまったので交換です。

触るとかなりの熱を持っており、恐らく内部でショートしているのではないかと思われます。

部品代で3万ちょっとかかりましたが、モーター単体で出るのでまだいいですね。

交換後は当然動くようになりましたし、以前よりもかなり高速に、そして力強く動くようになりました。

 

こちらは古いほうのモーター。

欧州車ではおなじみのValeo社製ですね。

 

で、こっちが新品の純正モーター。

なんと、日本メーカーの日本電産製に代わっております。

すごい!欧州市場においてValeoを押しのけて純正採用されるなんて!

と思ったら、Valeoのモーター部門を日本電産が買収したのだそうです。

買収額は220億円とのことですから、Valeoの規模からしたらかなりの小規模事業。

きっとお荷物部門だったのかもしれませんね。

 

はい、続いてこちらは987ボクスター。

いたずらで幌に何か薬品をかけられてしまったそうで、

某染色スプレーで着色を試みたものの、

ちっとも奇麗に染まらないし本数はやたらと必要だし、にっちもさっちもいかない!

ということで張り替えをご依頼いただきました。

 

また、幌を開けたきり閉まらない、ということでそちらも点検。

幌を動かすロッドのボールジョイント部が左右両方とも割れていたので交換しました。

こちらの部品はたくさん在庫を置いておりますのですぐに交換対応が可能です。

お気軽にご相談ください。

 

参考までに、これをハメるときの注意点ですが、

ギューッと押し込んで、なんとなく入ったかな?という時点ではまだきちんと嵌まっていません。

きちんと入った場合、必ず大きな「パコン!!」という音がします。

このジョイントがある部分はスペースが狭いこともあり、手で押し込もうにも上手く力が掛けられません。

工具をテコのように上手く使ってどうにかこうにか押し込みましょう。

こんなの無理だ!と思うほど硬いかもしれませんが、

パコン!と嵌まったときの快感は筆舌に尽くしがたいものがあります。

 

 

で、出来上がり。

久しぶりに撮りました、完成写真。

 

奥は張り替えたボクスター。

手前は十数年使い古したZ3。

同じボルドーですが、やはりだいぶ色褪せておりますね。

 

 

こちらは別のボクスター。

やはり同じジョイント部分にトラブル。

こちらの場合プラスチック部品は割れておりませんでしたが、

写真のボール部分が右側だけ脱落して行方不明。

 

あれ~、こまったな、どこか隙間に落ちてしまったのかなぁ、と探していると、

奥のほうに何か光るものを発見。

キミ、光るものがあるね。

 

というわけで、無事ボール部分とナットを回収。

良かったです、変な隙間に落っこちてなくて。

でも、片方のヒンジが紛失していても、もう片方だけで開閉機構はちゃんと動作しておりました。

幌の動作は以前紹介したワイヤーで動かしているんですけどね。

片側が壊れて、残りのもう一方に全荷重が集中してもちゃんと動くなんて、

なかなかガッツがあるなぁと思いました。

ただ、ずっと放置するといずれワイヤー破損につながると思いますので、

定期的に点検して、早めの対策を心がけましょう。

 

こちらは2年前に張り替えさせていただいたS2000のたるみ修正。(修正後)

雨に濡れて、非常にしっとりとしたいい感じの質感になっております。

個人的には水玉コロコロよりもこっちのほうが好きです。

あまり開閉はされていないようで、擦れも全く見当たらず非常にきれいな状態でした。

 

こちらはマスタング。

タンの幌に交換いたしました。

フォードは残念ながら日本市場から撤退してしまったので、もう正規輸入車は買えません。

せっかく新型マスタングもいい感じのデザインに仕上がっているのに。。

 

シボレーはまだ細々と頑張っておりますので、

みなさん、新型カマロのコンバーチブル、買ってあげましょう。

すごくカッコいいですよ。

最近のアメ車はデザインも洒落ていますし、故障も減っているようです。

でも、高すぎです!

カマロ・コンバーチブルは税込6,026,400円のワングレードのみ。

いったいどれだけの人がこんなの買えるというのか。

米国では32,900ドルからです。

そのまま日本に持ってきて399万スタートくらいならまだ買おうかと思えるのに。

多少オプション付けたって500万あれば買えるでしょう。

それが、はい、車両本体600万円です!っ言われたら・・・・

売る気があるとは到底思えません。

シボレーはプレミアムブランドでもなかろうに。

まぁ、並行車を買うという手もありますが、

やはり正規輸入を任されたものとして、

もうちょっと頑張ってくれればいいのになぁと思います。

ほんとに。

 

それでは、また。