水没2

こんにちは。

今回は、以前ご紹介したZ4のその後をご紹介。

 

はい、このように排水口が詰まって水が溜まり、

ポンプが水没することによって電動幌が不動となってしまっております。

 

リヤタイヤ前方のホイールアーチ インナーカバーを外すと中に排水口があります。

 

排水口の先っぽに付いているカバー。

いかにも詰まらせる気満々の形状をしておりますね。

 

このように溜まっていた水が流れ出てきます。

 

はい、外したポンプです。

完全に水没して錆まくっておりますね。

 

こんな状態ですから動くはずがありません。

 

モーターにつながるハーネスも錆びてダメになってしまっているので交換します。

 

こちらが掃除後の排水口。

底に見えている小さな穴だけが唯一の排水経路です。

 

そしてこれが排水口に詰まっていたゴミです。

先ほどの排水口の穴と比較していただくと、容易に詰まってしまうことが想像できますね。

特に目立つものとしては、やはり葉っぱとビニールです。

というわけで、幌後部周辺に溜まった落ち葉などはこまめに取り除くようにしましょう。

 

そしてビニール片はどこから来たのかと言うと・・・

ヘッドライナー内側のこれです。

これが経年劣化で剥がれて排水口に入り込み、詰まらせてしまうのです。

 

というわけで、予防措置として、剥がれ落ちる前に出来るだけ剥がしてしまいましょう。

脱毛と同じ要領で、ガムテープを貼って引っ張ると剥がれますよ。

 

はい、まずポンプは確実に死んでしまっているので、新品に交換します。

純正部品で10万円くらいします。

高いですねぇ。

 

防音用のクッションは水没して使い物にならなくなっていたので、別のもので代用します。

もちろん、不燃性の素材です。

 

そんで、ケースに戻しまして、

 

骨組に再装着。

写真を撮り忘れましたが、

今回は左右の油圧シリンダーもオイル漏れでダメになっていたので、リビルド品に交換しました。

リビルドのメーカー曰く、純正シリンダーは非常に頑丈にできているものの、

唯一パッキンの素材が悪いがためにオイル漏れが発生してしまうのだそうです。

リビルド品に使用されている対策済みパッキンは非常に耐久性があり、設計寿命は30年とかなんとか。

本当に30年持つのかどうかは実際使ってみないと分かりませんので、

実証実験はオーナーさんにお任せしたいと思います。

 

はい、で、幌ASSYを車体に戻します。

油圧ポンプの上に付いている白いものはオイルタンクです。

今回のようにシリンダーごと交換した場合、タンクにオイルを満杯まで補充したとしても量が全く足りません。

何度もオイルを補充しながら、油圧経路全体にオイルを行き渡らせていきます。

 

きちんと動作することを確認し、オイルを基準量まで補充したらカバーを閉めて完了。

水没対策としてここのカバーをコーキングで固定してしまうケースも散見されますが、

ここを開けられないとオイルの補充が出来なくなってしまいますので、あまりお勧めは致しません。

作業しているそばからビニルくずが落ちてきますね。

こまめな掃除が欠かせません。

 

はい、幌も新品に張り替えて無事完了。

幌の張替、油圧ポンプ、シリンダー、ハーネスの交換で今回は40万弱かかってしまいました。

手動だったらこのような苦労はないのですが・・・

Z4でもグレードによっては手動のタイプもありますので、

故障が気になる方はそちらを選択してみるのもいいかもしれません。

もっとも、グレードはかなり限られてきてしまいますが。

 

それでは、また。