当方で扱っているアクリルクロスの生地は、大まかに分けると安価なほうから順に、

・Stayfast系

・Twillfast系

・German系

の3種類があります。

 

ここでは各生地の特徴を紹介してまいりたいと思います。

 

と、その前に、生地の織り方について説明させていただきます。

大まかに分けると、下記の二つに分類されます。

 

■平織り

一番一般的かつ簡単な織り方で、タテ糸とヨコ糸が交互に織り重なっています。

布目が四角くなるのでSquare Weaveとも呼ばれます。

 

■綾織り

タテ糸とヨコ糸が1本ごとに交互になっている平織りに対して、

こちらの綾織りは、2回(もしくは3回)上を通ってから1回下に潜りまた上にくる、という変則的な織りになります。

(上の図は2本ごとに交互になる2/2というタイプです。)

これにより、布目は斜めにラインが入ったような感じになります。

いわゆるツイル織りと呼ばれるものでTwillfast生地の名前の元にもなっています。

 

 

さて、これらを踏まえた上で、生地の種類を紹介してまいりましょう。

 

 

■Stayfast生地

 

アクリルクロス生地の中では一番リーズナブルな生地です。

クロス生地の質感が手軽に楽しめるのが魅力で、当方で在庫を置いている幌もほとんどこちらの生地です。

厚みは標準値で約1.0mmです。

 

表面はアクリル繊維の平織りです。

 

裏地はコットンのツイル織りとなっております。

 

※Stayfastの画像だけ倍率が大きくなっております。

 

 

■Twillfast G(II)

 

Stayfastよりもワンランク上の生地です。

Stayfastより厚みがありしっかりとしていて、より高級感があります。

厚みは標準値で約1.3mmです。

 

 

名前の通り、表はアクリル繊維のツイル織りです。

 

裏面はポリエステル(※PET)、もしくはポリエステル(PET)と綿の混紡で、

ドビーと呼ばれる規則的な模様が入っているので、

ヘッドライナー(内張り)の無い車種でも高級な雰囲気を味わえます。

 ※PET(ポリエチレンテレフタラート)はポリエステルの一種です。

 

 

■Twillfast RP(RPC)

 

Twillfast G(II)の派生生地で、素材や織り方は同じですが、ややふんわりとした織りになっており、

外部からの騒音を軽減するアコースティックトッピングという機能を備えております。

厚みは標準値で約1.35mmです。

 

■German Classic (Sonnenland Classic)

 

元々ドイツで作られていたためこの名前で呼ばれているようで、

現在は米国Haartzコーポレーションに吸収されSonnenlandが正式名称となっております。

その名の通り、古いドイツ車ではこちらの生地の採用例が多いです。

 

値段は高いですがそれほど厚みがあるわけではなく、

織り目はジーンズのようなややざっくりした印象です。

他の生地と比べると布目がよく目立ち、独特の表情があります。

元からGerman生地が使用されている車両の交換用、と考えるといいでしょう。

厚みは標準値で約1.1mmです。

 

表面はアクリルとポリエステル(PET)のツイル織りとなっています。

 

裏地はポリエステル(PET)でドビー模様が入っています。

 

 

■GermanA5 (Sonnenland A5)

 

伝統あるGermanの名前を引き継ぎつつ現在の技術力で進化させた最高級の生地です。

Twillfast系と同じツイル織りですが、より織り目が細かく緻密な印象で、

渋い光沢感を持った非常に高級感のある生地となっております。

厚みは何パターンかあるようで、おおむね1.3mm~1.5mm程度です。

なお、厚みは色ごとに決まっており、指定は出来ません。

 

表地はアクリル繊維のツイル織りです。

 

裏地はポリエステル(PET)でドビー模様が入っています。

 

 

以上が、代表的な生地の特徴となります。

 

耐久性についてはどれもアクリル繊維なので大きな違いはないと思われますが、

StayfastよりもTwillfast系やGermanA5系生地のほうが、より厚みがあるぶん長持ちするかもしれません。