ヘルメット

こんばんは。

本日で今年最後の仕事も無事終わりました。

というわけで、ここ最近の仕事をいくつかまとめて御紹介いたします。

 

まずはアウディ・TT ロードスター。

赤いボディにTwillfast RPCの黒です。

独特の丸っこいシルエットが非常に特徴的ですね。

ただ、デザインを優先しすぎたあまり初期型は空力的に安定性が悪かったそうで、

途中でリアのスポイラーが追加されたと言うのは有名な話。

といっても180km/h以上の速度域での話だそうで、日本ではほとんど関係ないですね。

 

それよりびっくりしたのは、この丸っこく凹凸の少ないデザイン、洗車が非常に簡単なのです。

ボディ全体をひょいひょい~っとなぞっていけばすぐに終わってしまいます。

これは車両を綺麗に維持するために非常に重要なポイントだなと思いました。

複雑な面構成の車やフルエアロで凸凹だらけの車なんて本当に洗いにくいですからね。

 

幌交換動機は毎度おなじみガラス剥離。

アウディはA4もTTも、どちらもガラス剥離が持病ですね。

 

製造はどちらもカルマン社ですから・・・と思いきや・・・・

TTだけはフォルクスワーゲングループで毎度おなじみのカルマン社ではなく、

ボルボやBMW系と同じ、Edscha社製なのです。

よって構造もA4カブとはだいぶ違います。

なのに、ガラス剥離の弱点だけはきちんと共通しているという、

少々残念な幌となってしまっているのであります。

 

こちらは黒のZ33にバーガンディの幌です。

ここのところ定番になりつつある、非常にかっこいい組み合わせです。

 

最近はリアまわりの施工方法を大幅に変更しまして、

よりスムーズに安定して綺麗に仕上げることが出来るようになりました。

前はリア周りで結構苦労していたのですが、

一か八かやってみた方法がなかなか上手くいったのでよかったです。

これからも引き続き、日々改良を重ねてまいりたいと思います。

 

こちらは白のNAロードスターに白い幌。

引き渡すまでは絶対に汚してはならないので、いつも以上に気を使いながらの作業となります。

完成写真は時間がなく撮れませんでしたが、白の幌もなかなか良かったですよ。

 

 

さて、話は変わりますが・・・

店長の大好きなA4カブリオレ。

シンプルでスタイリッシュな幌の形状も大きな魅力の一つでありますが、

実はコンセプトモデルでハードトップのバージョンも存在していたのです。

 

それがこちら。

うっ、一気に所帯じみてしまい、個人的にはあまり魅力を感じない車になってしまっております。

ちなみに作ったのはValmet Automotive社。

サーブのカブリオレやポルシェ・ボクスターなどを製造していた会社ですので実力は十分ですが、

やはりソフトトップ特有の優雅さは失われてしまっております。

開けちゃえば見た目はほとんど一緒ですけどね。

それでもトランクがほぼ無くなってしまうのはいただけません。

 

ちなみにその後、少し改良されまして・・・

ルーフラインがいくらか自然な感じになったような気がします。

いや、変わってないかな?後期テールになっただけ?

まぁいずれにしてもエレガントとは言いがたい存在です。

 

 

 

続きましてこちら。

ボルボ・C70もメタルトップにしちゃいました。

これはハッキリ言って猛烈にダサイ!

ヘルメットか、と言いたくなるような不自然なリアガラス周り。

格納スペースがー、、、とか言ってるからこんなことになってしまうのです。

 

 

しかし、さすがに開発スタッフもこれはまずいと思ったのでしょう。

翌年にはなかなか意欲的なモデルを出してきました。

クーペに近い、流れるようなルーフライン。

一瞬やや厚みを増したジャガー・XK8かと思ったほどスタイリッシュにまとまっています。

なんだ、やれば出来るじゃないか!

そう、やれば出来る子だったのです、Valmet Automotive社は。

 

注目していただきたいのは、

最初のモデルでは2分割だったトップが、こちらでは3分割になっている点。

分割数を増やすことによってトップの全長を伸ばすことが出来ますので、

ルーフエンドをより自然な感じで処理することが可能になっているのです。

 

残念ながら市販化はされていませんが、

2代目のC70コンバーチブルはメタルトップとしては割と自然なルーフラインにまとまっていますので、

もしかしたらそちらにいくらかノウハウが引き継がれたのかもしれません。

 

というわけで、やはりメタルトップは見た目がやや重たい、収納スペースも減ってしまう、

そして何よりエレガントさにかける、ということで、

その辺りを良く分かってらっしゃるアウディ様は、

これからもソフトトップを採用し続ける、と宣言しておられます。

アストンマーチンやベントレー、ロールスロイスなど、超高級オープンカーもソフトトップオンリー。

当然、エレガントだから採用するのでしょう。

 

逆にBMWやプジョーはメタルトップ流行の波に乗って、

Z4や3、4シリーズカブリオレ、307、308など、みんなメタルトップにしてしまいました。

まぁ、いずれ彼らも戻ってきてくれるのではないかと思っておりますが。

 

フェラーリも458スパイダーからメタルトップになってしまいましたが、

「メタル化によりソフトトップよりも軽量化できるようになった」とのことですので、

スポーツカーであることを考慮するとそれはそれでよろしいのではないかと思います。

何よりスタイリングが全く損なわれていないのが大きい。

カッコイイは正義なのであります。

 

それでは、また。

 

※上記メタルトップの写真はフリーの壁紙サイトからの転載です。