ぽるしぇその2

ポルシェ911(996) カブリオレ幌交換、2台目です。

一回やったし楽勝楽勝、と思ったら・・・・

996でも後期型はガラススクリーン仕様。

だいたいの車種は基本的にガラスごと交換ですが、

996の場合はガラスを移植する必要があるのです。


ガラス移植?

そんなの完全に幌縫製職人さんの仕事じゃないか。

果たしてちゃんと出来るのだろうか・・・どんな構造になってるのだろうか・・・

 

しかし、そこはさすがドイツ車。

極めて合理的、かつ誰でも(?)交換できる納まりになっていました。

あまりに感心したので概略図を作成。


大雑把に言うと、ガラスと布を金属板で挟んでクリップで留めてあります。

接着剤は見えないところに仮止め程度に塗ってあるだけなので失敗もありません。

そして表から見るとガラス枠がほとんどないのでとてもスッキリ。

う~ん、単純な構造って図で書くのは簡単ですが、

それを思いつくまでの道のりはとても大変なのです。

すごいぞドイツ人、すごいぞポルシェの技術者。


というわけで、こんな感じにキレイに納まりました。

自分で言うのもなんですが、良く出来ました。

アールの部分なんかは巻き込むところにハサミを入れるのですが、

ちょっとでも切り過ぎたらアーウト!!試合終了

とにかく慎重に、均一に、シワが入らないようにと丁寧に作業しました。

頑張った自分を褒めたいです。


全体像はこんな感じです。

緑のボディにベージュの幌。

ロードスターや英国車では定番ですが、

911ではとても珍しい組み合わせです。

元々グレーの幌だったので「グレーベージュ」というカラーでオーダーしたのですが、

届いたらちっともグレーじゃない・・・^^;

オーナーさん、イメージと違ってガッカリするかな、と心配しましたが、

内装色とのマッチングも良く、逆にとても気に入って下さり一安心。


後ろから。

シワもなくキレイに張れました。

ちなみにデコボコして見えるのは骨組みが浮き出ている部分ですので、

これ以上はどうしようもありません。

明るいところで見ればほとんど気にならないと思います。


ところで今回の幌交換理由はズバリ「汚れているから。」

さすがポルシェオーナーさん、動機からしてリッチです。

でも破れたから交換であれば「ああ、直ってよかった」と満足してもらえますが、

今回のような理由での張替えではキレイになるのは当たり前、

シワなく美しく張られていなければ満足してもらえません。

というわけで、ガラス移植だし、

きれいに張らないといけないし、

明るい色だから汚れにも気を付けないといけないし、

そもそも高級車だし・・・

と、様々なプレッシャーを受けながらの作業でしたが、

オーナーさんに満足してもらえてとても良かったです。


ちなみに、、、現在ポルシェ3台目入庫中です。