★店長日記★

365

こんにちは。

今回はサーブ・9-3カブリオレのご紹介です。

 

サーブ・9-3といえばこの色。

定番のモンテカルロイエローのボディ。

鮮やかな黄色は花のように見えるのか、やたらと虫が集まってきます。

一緒に置いてあった黄色のS2000にはそれほど寄ってこなかったので、

どうもこのイエローにのみ何か特別な魅力があるようです。

 

5ドアハッチバックを髣髴とさせるリアのシルエットはカブリオレになっても健在。

カッコイイとか美しいとかそういうのとはちょっと違う、ただ確実に感じされるサーブらしさ。

この長年培ってきた「らしさ」こそがサーブ最大の魅力かなと思います。

そういう点でいうと末期の頃のサーブは、

経営難から脱却すべくデザインの方向性を大幅に変更した結果もはやアイデンティティを見失い、

古くからのファンも離れ、破産も止む無しだったのかなという気がします。

 

ちなみにリアガラスは新しい幌に移植するタイプになります。

リアガラス周りの構造はポルシェ997と全く一緒。

部品もほぼ同一の物が使用されていますので、幌システムの開発は恐らく同じ会社だと思われます。

なお、9-3の幌は内張り(ヘッドライナー)の裏側が経年劣化でベトベトになってしまうのが定番。

追加費用はかかりますがこれは絶対替えたほうがいいです。

というか替えないとあっちもこっちもベタベタになってしまいどうにもならない。

これは恐らくですが裏地に吸音材として仕込んであるウレタンフォームが、

加水分解してしまっているのが原因と思われます。

 

ついでに、当店の施工ではないのですが、同じ9-3の施工例をご紹介。

こちらは施工前。

開閉頻度が高かったのでしょう。

あっちこっちに補修跡があり、だいぶくたびれた印象です。

 

で、交換後。

当然ですが、大変きれいになりました。

どちらの施工例もシンプルな黒い幌ですが、

やはり新品に張り替えると非常にスタイリッシュに生まれ変わります。

どの車もぼちぼち痛んできている頃かと思いますので、ぜひ張替えをご検討いただければと思います。

 

 

それでは、また。

こんにちは。

今回はBMW・6シリーズ カブリオレ(E64)のご紹介です。

 

シャンパンゴールドっぽいボディにボルドーの幌を組み合わせました。

オーナーさんは「四捨五入で還暦」とのことで、

還暦祝いの赤いちゃんちゃんこカラーでもあります。

シルバー+ボルドーだと結構派手目の印象になりますが、

暖色系のシャンパンゴールドとの組み合わせだと、

いくらか落ち着いた大人の印象に仕上がったような気がします。

 

さすがに6シリーズともなると長いし幅も広い。

エンジンもドーンとでっかくV8 4.8リットル。

4人乗りオープンカーの中でもとりわけラグジュアリー感の強い1台です。

 

非常に特徴的なリアのデザイン。

このとんがり部分の構造が一番の懸念事項だったのですが、

基本的にはただ骨組みに被せてあるだけという比較的単純な構造でした。

写真はまだ生地が伸びていないので先っぽがやや浮いていますね。

 

リアウィンドウは幌ではなく車体側に付いていて、電動で開閉が可能です。

オープン走行時にはウィンドディフレクターにもなるという優れもの。

 

ちなみに今回の生地はTwillfastRPCのボルドーですが、

裏側は全面にクッション材が貼り付けてあり非常に分厚いです。

まるで屋根全体に布団が敷き詰めてあるかのような重厚さ。

ここまでやると、もはや金属屋根のクーペよりもよほど遮音性能が高いのではないかという気もします。

E64の場合はこのきわめて贅沢な作りと特殊な形状のせいもあって過去最高値更新。

工賃込みで20万弱くらいになります。

それでも純正よりははるかに安いと思いますし、

カラーも色々選べて楽しいですので、ぜひご検討いただければと思います。

 

さて、話は変わって、うちの近所には古い給水塔があります。

なかなかお洒落なデザインで、前から近くで見てみたいなぁとは思っていたのですが、

先日たまたま年に一度の見学会をやっていたので子供と行ってみました。

 

12角形の形状がユニークな、なかなか味わいのある外観です。

市民の生命線である水道施設ということもあって、

普段は敷地に立ち入ることすらままならないのですが、実は内部は桜の木がいっぱい。

こんなにきれいなのに誰も入れないなんてとてももったいない気がします。

 

今回はこの給水塔の中に入れて、さらに屋上の展望台にも上がれます。

 

というわけで屋上から当店の方向を撮影してみました。

当店の窓からは給水塔が望めますので、当然給水塔からも当店が見えました。

高い位置に水を貯めて重力で給水するのが給水塔の役目ですから、

やはり非常に高い位置にありますね。

 

最大限ズームしてここまで。

 

ちなみに給水塔、中が全て水で満たされているのかと思っていたのですが、

実際は水があるのは上部に設置された金属性タンク内のみ。

ですから極論としては鉄骨で塔を組んでタンクだけ乗っけておけば用は足りるのですが、

わざわざ凝ったデザインで作っちゃうあたり、非常に文化的と言えると思います。

無駄なことをしなくなったら、何にも面白くないですからね。

というわけで、無駄に(?)凝ったこちらの貯水塔、ちゃんと千葉県の文化財にも指定されています。

現役で使用されているというのもまたいいですね。

こんにちは。

今回はZ33のご紹介。

 

紫っぽく見えるボディですが、見る角度によってはオレンジっぽかったりする不思議なカラーです。

 

幌はStayfastのダークルビー。

 

今はもう受け付けていないステッチ変更。

白のステッチでお洒落に仕上がっています。

なお、こちらの車両は非常に綺麗に張れておりますが、

車両の個体差か、幌の個体差か、多少のシワが残る場合もあります。

予めご了承ください。

 

さて、今回はZ33の弱点について掘り下げてまいりたいと思います。

まずよくあるのがこちら。

側面の接合部の後ろのほうが避けてしまう不具合。

これが発生する状況は・・・・

 

幌を畳むときです。

このように畳まれたときに最大級の引っ張りが発生し、骨組みと直行するかたちで裂けてしまいます。

というわけで、ここが裂ける原因はずばり骨組そのもの。

 

この骨が格納時は本来もっと前に来ないとならないのです。

だいたいですが、白いラインの辺りまで来ていると負荷がだいぶ軽減されます。

出来れば幌を畳む前に骨を前に動かしておければいいのですが・・・・

 

写真のストラップで引っ張られているので前に出すことが出来ません。

ちなみに、骨を見ると黒い低摩擦テープが貼られています。

こういったものがわざわざ貼ってあるくらいですから、

開発側としてもこの骨が前後にスムーズに移動することを期待しているのが読み取れます。

ところがどっこい、そう思ったとおりには動かない。

 

というわけで、ストラップを外してしまいました。

これで幌を畳む前に手で骨をずらすことができ、幌にかかる負荷を軽減することが可能になります。

また、幌に無理がかからないということは、モーターにも優しいということです。

デメリットとしては、幌を閉めたとき、最後に骨を後ろに押してあげないといけなくなります。

ですが、幌やモーターが破損するのに比べたらだいぶマシではないかと思います。

 

 

それともう一つ、ガラス左右の下あたりが裂けてしまう現象。

これはこの裏側にあるバーが原因かなと思っていたのですが・・・

 

 

 裂けてしまった車両と、そうでない車両、それぞれ色々調べていくと、

前者では、ガラスの位置がずれないよう押さえている部品がちぎれてしまっていることが分かりました。

写真の矢印の部分同士は本来繋がっています。

(ちなみに、ここまでばらして分かりましたが、この幌、青だったのですね。)

 

これがないとどうなるかというと、

幌格納時にガラスが後ろ方向にずれます。

一方、幌布自体は前方向に引っ張られます。

これにより幌布に引き裂くような力が発生し、破れてしまうようです。

なお、この前方向に引っ張る力の原因も先に述べた骨組みの位置が関わってきていると思われます。

 

というわけで、ストラップを外してしまうことにより、いくつかのトラブルが解消される可能性があります。

もちろん、これが全ての原因であるとは限りませんが、メリットがあるのは明白。

お客様の同意が得られれば、今後このストラップは外してしまう方向で進めたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

こんにちは。

段々と暖かくなってまいりまたね。

今回はNCロードスターのご紹介です。

 

オーナーさんの要望により今回は、

・レインレール

・ウェザーストリップ

・ベルトラインモール

・幌後部セットプレート

・セットプレート部ナット

も交換いたしました。

 

通常はここまで交換する必要はありませんが、

換えられる部品はこの機会に片っ端から換えておきたい、

とのことで幌交換ついでに交換させていただきました。

 

ベルトラインモールは幌を全て取り外してから交換します。

着脱時にボディを傷つけないよう厳重に養生をしました。

 

ベルトランモールはボディ内側にボルトでとめてあります。

この固定用のステンレスプレート部分が曲者でして、

モール本体よりもかなり外側に飛び出しているので着脱時にボディに傷をつけてしまう恐れがあります。

皆さんも注意して作業してください。

 

ボルトを外した後はモール全体を前方向にスライドさせると外せますが、

お決まりのブチルゴム+土ぼこりでご覧のとおりぐちゃぐちゃです。

 

というわけで、まずは溶剤でブチルを除去。

ブチルは落ちましたが、蓄積された汚れが黒い筋となって残っています。

 

今度はコンパウンドで磨いて除去。

すっかり綺麗になりました。

あとは逆の手順で新しいモールをつけるだけですが、

新品にもたっぷりとブチルが塗ってありますので一発で決めないと大変なことになります。

あせらずじっくり丁寧に作業しましょう。

 

ちなみにこちらがレインレールからの水を受ける排水口。

棚田のような2段構成になっておりまして、

上の段には大きなゴミを除けるための格子がついています。

NA/NBでは排水口にゴミが詰まって水があふれ、最悪ボディを腐らせてしまうケースもあるのですが、

このようにNCではきちんと対策がなされております。

一部が詰まっても問題ない幅広な格子部分、

また万が一完全に詰まった場合でも単純に下段にあふれ出るだけで済むという非常に手の込んだつくり。

ただし、NA/NBの場合はこの部分の清掃が比較的簡単にできるのに対し、

NCの場合は内装部品を取っ払わないとこの部分にアクセスできません。

というわけで「掃除が出来なくても支障が無いように」という意味もあって、

このような厳重な仕組みになったのかもしれません。

 

で、突然ですが出来上がり。

生地はStayfastのミディアムブルーです。

天気が悪いのでわかりにくいですが、ダークブルーよりももう少し鮮やかな色です。

 

手前からNC、NA、一番奥にちょっと見えるのはBMW 6シリーズカブリオレ(E64)

そのほかガレージにはゴルフ4が一台。

この日は特にオープンカーだらけでした。

 

ちなみにこちらの車両、NCとしては少々多めな8万キロという走行距離ですが、

今回のようにオーナーさんがあっちもこっちも部品交換しておりますので見た目はまるで新車のよう。

こういう車がたまにあるので中古車を買うときの走行距離というのは実に当てになりません。

逆に、えっ・・・これでまだ2万キロ・・・?というようなひどい車両もありますし。

 

いつか、こういった大切にされてきた車だけを扱う中古車屋をやりたいなぁと思っています。

売れなきゃ売れないで自分の車ということにしておけばいいし。

趣味丸出しの変な車ばっかりになりそうですが。

以前車好きの知人が言っていました。

「大切な売り物を雨ざらしで置いておくなんてとんでもない」

世の中古車屋さんの9割以上を否定する問題発言(?)ですが、気持ちはよくわかります。

数台しか置いてないけど、全部ちゃんと屋根の下に入ってる、

そんなのんびりしたお店をやってみたいものです。

 

それでは、また。

こんにちは。

今回はポルシェ・ボクスター(986型)のご紹介です。

 

ミドシップエンジンということもあって、運転席が中央寄りにある独特なスタイル。

幌格納部の下にエンジンがあるので前後ともトランクスペースが確保され、

二人乗りのオープンカーとしては比較的実用性の高い一台に仕上がっております。

前から見ても後ろから見てもちゃんとポルシェっぽさが出ていますね。

 

前と後ろが似ているので、キャビンを前後反転してみる。

これはこれであり・・・?

前が見にくそうですが。

エンジンを逆回転させれば世界初?の後輪操舵FF車の出来上がり。

最強の低速コーナリングマシンになるかもしれません。

 

ファニーフェイスなフロントはフィアット・バルケッタっぽい。

 

尻下がりなラインはアルファロメオ・スパイダー。

 

斜め後ろから。

生地はGermanA5のブラック。

無難な色ですが、シンプルでかっこいいです。

元は確か青い幌だったはず(うろ覚え)

 

ボクスターを自分でつけたのは初めてですが、

非常に張りやすく、かつ綺麗に仕上がるよくできた幌ですね。

高級欧州車の幌が綺麗に張りやすいのは骨組の剛性の高さもあるかなと思います。

鉄板をプレス加工したものが多い国産軽量オープンカーや一昔前の欧州車と比較すると、

最近の高級欧州車の骨組はアルミダイキャスト製のものがメインになっております。

肉厚なので非常に重たい反面、剛性の高さと錆に対する耐久性はピカイチ。

骨組みにほとんど誤差やブレがないので、幌もキッチリ付くのかなという印象。

 

こちらのボクスターは後期型なので元々ガラススクリーンですが、

前期のビニルスクリーンをガラスに変更することも可能です。

 

ところで、ボクスターってなんとなくBoxterかと思っていたのですが、Boxsterなのですね。

日本語的に読むとボックススター?セブンスターのボックスみたい。

Wikiによると、水平対向エンジンを表す「ボクサー」(Boxer )と、

ポルシェのオープンモデルの呼び名である「スピードスター」(Speedster )

をあわせてBoxsterだそうです。

 

次回の目新しい車種としては、BMW・6シリーズカブリオレが控えております。

リア周りが非常に特殊な形状となっておりまして、いったいどうなっているのやら?

メーカーに聞いたら「時間かかるよ」とのことなので戦々恐々。

はじめての車種の場合「こんなのどうすればいいの?!」と絶望してしまうこともしばしば。

何度となく「今回こそはもうダメだ」と思いましたが、今のところなんとか乗り越えてきております。

数日後、嬉々として日記をしたためる自分を想像しながら。

 

それでは、また。

だいぶ暖かくなってまいりましたね。

オープン走行が快適な季節ですが、花粉の飛散も絶好調。

今週辺りがピークとのことですので、あと少し頑張りたいと思います。

 

さて、今回はポルシェ911(964型)のご紹介です。

964の幌は基本的に930型と同じものです。

車両自体、見た目もほとんど同じような感じで、

ポルシェ好きでないとなかなか見分けが付かないかもしれません。

 

生地は最高級生地Germanのブルー。

やはりポルシェオーナーさんはGerman生地の選択率が高いです。

高級車ですし、何よりGermanという名前からして選ばないわけにはいかないでしょう。

 

白飛び全開の写真ですみません。

それにしても相変わらず難しい930・964の幌交換。

作業のたびにコツを掴んだつもりになるのですが、

いざ次の車両でそれを試してみると、また別の問題が現れて上手くいかない・・・

結局現車合わせで帳尻を合わせるしかなく、何度も付けたり外したりの繰り返しです。

まぁ・・・次こそは一発で上手くいくかな?

忘れないうちにもう一度試したいような、もう二度とやりたくないような。

 

ちなみにこちらはカレラ4。

4気筒じゃなくて4輪駆動の4です。

「カレラ」の名称は、スペイン語で「レース」を意味し、

かつては文字通りレース用の高性能モデルに与えられる栄誉ある名前だったのですが、

途中からなぜかNAの標準仕様車、

いわゆる一番「素」のグレード名として用いられるようになっております。

ポルシェは標準車でもレース仕様だぜ?ってことでしょうか。

 

 ちなみに先ほど初となるボクスターの作業が終わりましたのでまたそのうちご紹介いたします。

それではまた。

こんにちは。

今回はロードスターのご紹介です。

 

ノーマルのNBロードスターに青い幌。

爽やかで清潔感溢れるスタンダードな組み合わせです。

生地はTwillfastRPCのブルー。

 

リアガラスは熱線入りなので+4,000円。

NBロードスターであればカプラーをカチッとつなぐだけでOKです。

 

とまぁカラー自体は以前にもご紹介したような組み合わせです。

では何故今回ご紹介したかといいますと・・・・

 

サイドガラスの上にご注目。

 

拡大すると・・・

前。

 

後ろ。

 

ノーマルと何が違うかお分かりいただけましたでしょうか?

サイドの縫い目のところに何かポッコリ出ていますね。

こちら「ドリップガード」と申しまして、

雨の日のドア開閉時に雨水が垂れ落ちてこないようガードしてくれる、

というとても親切な部品なのであります。

 

実は前からNA/NBロードスター用幌に限りオプションで設定があったのですが、

別に無くてもさほど困らないし、そもそもそんなのがボッコリ付いてたらかっこ悪かろう、

ということでずっと無視しておりました。

 

が、しかし、今回なんとなく思いつきでお客様にご提案いたしまして、

それじゃあ付けてみましょうかということで発注したところ、

思いのほかスッキリシンプルであることが判明いたしました。

 

というわけでこちらのドリップガード、+3,000円の追加オプションとして設定させていただきます。

かなり控えめなサイズなので大雨ではあまり効果が望めないかもしれませんが、

ちょっとした雨降りならば雨だれの憂鬱を少し解消してくれるかもしれません。

 

ちなみにNCロードスター用幌の場合は元々標準で付いております。

純正幌にも付いておりますので、機会があったらぜひ見てみてください。

 

それともう一つ、

まず気付いた人はいないだろうと思いますが・・・

 

サイドと前後のつなぎ目のステッチが廃止になりました。

もちろん強度には影響しないという判断の上での廃止ですのでご安心ください。

(ちなみにS2000などは元々ステッチがありませんでした)

これに伴い、元々メーカーがあまりやりたがらなかったステッチの色変更も廃止とさせていただきます。

ご検討中だったお客様には申し訳ありませんが、何卒ご了承ください。

それと、在庫分についてはしばらくの間ステッチがあるものとないものが混在いたします。

申し訳有りませんがステッチ有無の指定はお受けいたしかねますのでご了承ください。

 

それでは、また。

こんにちは。

今回は初となるBMW・MINIのご紹介。

 

結構玉数豊富な割には今まで依頼の無かったMINI。

天気がいいので外で作業しました。

初めてなのでどのくらいかかるか見当も付かなかったのですが、

器用なオーナーさんとの二人三脚で作業は順調に進みました。

 

車格の違いもあってかアウディ・A4ほどの洗練度はありませんが、

非常に合理的な構造になっておりまして、さすが最近の車だなという印象。

接着剤もリベットも一切使用しません。

ただし電動オープンの例に漏れず、

幌開閉システムのトラブルで既に数十万の費用がかかっているそうです。

オーナーさんは保証で直してもらったそうですが、中古を買うのが恐ろしくなる修理費用。

 

で、出来上がり。

TwillfastRPCのボルドーでよりお洒落な雰囲気に変身。

費用は生地にもよりますがだいたい15万円前後で可能です。

 

 

横から。

 

なんともコミカルなプロポーション。

やはり売れるには理由がある、納得のデザインです。

一連のリバイバル系デザインの中ではFIAT500と並んで郡を抜いていると思います。

 

後ろから。

トランクのアウターヒンジがまたいいアクセントになっています。

 

 幌交換だけでもかなりポップな印象になりましたが・・・

さらに黄色の自転車も追加。

好き勝手している感じがとてもよいです。

ちなみにオーナーさん、キャンピングカーを引いて走ることもあるそうです。

人生楽しそうでいいですね。

アクティブなライフスタイルにピッタリな車に仕上がりました。

 

それでは、また。

こんにちは。

今日は幌の生地について少し。

 

クロス生地は柔軟性が高く、ビニルのような破れ方はしないのですが、

繊維なのでビニルとは別の方向で少しずつくたびれてきます。

 

その最たる例がこちら。

白くなっている部分がポツポツありますね。

これは幌を畳んだとき、生地同士が擦れることによって発生します。

繊維業界では「白化現象」と呼ばれているそうです。

 

なぜ部分的に白くなるのかというと、

この白くなっている部分だけ、畳んだときに裏から骨で押されているのです。

ですので、発生する場所は車種によって様々で、ほとんど発生しない車種もあります。

現在お使いの幌を見てみてください。

純正のビニル生地で表面の凹凸が消え、妙にテカテカしている部分は有りませんか?

クロス生地にした場合、それらの場所が白化することになります。

 

(※骨が直接当たっている裏側は擦れて損耗が進んでいる場合が有ります。

 白化現象を発見したらその室内側をチェックし、

 損耗が確認できた場合は当て布などを貼ることをお勧めします。)

 

いったいどういったメカニズムで発生するのでしょうか?

白化部分を拡大してみてみると・・・

特に擦り減っている感じではありません。

繊維が圧縮されたり毛羽立ったりして光の反射具合が変わり、

その部分だけ白っぽく見えてしまっている状態です。

そのため、洗車をして全体が水に濡れると反射率が均一になるので全く見えなくなります。

しかし、乾くとまだ元通り。

 

だったら塗れたような状態をキープできればいいじゃない、ということで、実験。

液状タイプのワックスを軽く塗りこんでみました。

ちょっと塗れて濃くなっているのがわかるかと思います。

 

で、ドライヤーで乾かします。

うん、だいぶ目立たなくなったような気がします。

乾かした後は、特にべた付きや他の部分との色の違いは感じられません。

今回は手元に無かったのですが、幌用のフッ素コーティングをしても同じようになるかもしれません。

自分の車なので実験がてら手近にあったもので試してみましたが、あくまで自己責任でお願いいたします。

正直、ワックスを塗りこむというのはあまりお勧めしません。笑

が・・・思ったり良好な結果が得られたように思います。

 

なお、私のロードスターは耐久実験をかねてほぼ毎日、日によっては2回も3回も開閉を繰り返しております。

人によっては年に数回しか開けない、あるいは全く開けないという方もいらしゃいますので、

私の使い方はいわゆる「加速劣化試験」状態。

これらの使用結果から得られる情報や、

張替えに来られたお客様の今までの使用状況と劣化具合などを分析して、

有益な情報をフィードバックしていきたいと思います。

ぜひ幌交換の検討材料としてみてください。

 

それと、Mさま。

せっかく作業完了のご報告とお写真を送っていただいたのに、

メールを送るとエラーが帰ってきてしまいます。

見てますかー?

とりあえずお写真掲載させていただきます。

DIYにて作業されましたが、とても綺麗に張れているようで良かったです。

色は私と同じ、ダークルビー。

 私が利便性重視でGmailを使用しているせいもあってか、

特に携帯アドレスの方はメールが届かない、あるいは迷惑メールに分類される例が多いようです。

申し訳有りませんが今一度迷惑メール設定のご確認をよろしくお願いいたします。 

 

それではまた。

こんにちは。

 

S2000の幌交換をしていると・・・

よくこんなのが落ちています。

 

場所的にはBピラーの下あたり。

90%くらいの確立で脱落してしまっているので、経験がないと何これ?って感じになります。

 

元々どこにあるかと言いますと・・・

Bピラー後ろのボディ内側にあるステンレスプレート部分に貼り付けてあります。

劣化して脱落するのかと思いきや、新品状態でもちょっと触ると外れるという欠陥気味な部品。

脱脂を十分にせずに貼っているのでしょうかね。

 

というわけで貼りなおします。

まず残っている劣化両面テープを爪でこそげ取っていきます。

 

新しい両面テープを貼ります。

元々貼ってあるのと同じ、厚みのあるタイプがいいでしょう。

私が使うのは毎度おなじみ、日東電工製。

 

貼るのはこの位置。

人が背負っているような感じ?

 

 

ボディ側に貼り付けます。

しかし、こんなちょっとのゴムが何の役目を担っているのでしょう?

 

レインレールを付けるとわかりますが・・・・

レインレールの外側に水滴が垂れないようにしています。

たいてい外れていますし、形状的に見て無くても平気そうな気もしますが、

まぁ一応元通りくっつけるようにしたほうが丁寧な施工だといえるでしょう。

既に紛失している場合は防水テープなどを使用して同じような仕組みを再現するときも有ります。

 

S2000のレインレール周りは、こういういくつかの部品をゴチャゴチャ組み合わせたような納まりが多いですね。

試作→漏れた→部品追加 みたいな流れで出来上がったのでしょうか?

原点に立ち返って、もう少しシンプルに整理し直してくれるといいのですが・・・

この部分に関してはロードスターのほうがシンプルかつ確実な作りになっています。

アルファロメやゴルフだと最初から漏れる前提で下に水受けがある作りになっていたり、

BMWだと最初から一切浸入させないようブチルでガチガチに固めてあったり、

各社思想は様々で面白いところではあります。

図にすると以下のような感じ。

 

------------------------------------------

------------------------------------------

個人的には最後の漏れる前提の作りになっているタイプが一番好きです。

だって、経年劣化でいつかは絶対漏れてきますから。

ただし、室内側に湿気が入りやすいのが欠点。

 

全部は紹介しきれませんが、

やはり数をこなしていくとこういう小ネタ的ノウハウがたくさん必要になってきます。

たまに紹介していきたいと思いますのでよかったら見てみてください。

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

さて、新年最初のご紹介はフォルクスワーゲン・ゴルフIVのカブリオレです。

外観はゴルフIVですが、中身は基本的にゴルフIIIと共通。

幌も前期型まではIIIと同じガラス移植が必要なタイプとなります。

 

後期ならばガラスと幌が一体になっているタイプで交換も楽なのですが、

今回の車両はガラス移植が必要な前期型。

ということで、まずはガラスを外します。

グリグリとこじって外していきます。

ガラスを割らないよう慎重に・・・・

基本的にはゴム枠に嵌っているだけですのでちょっとずつ頑張ればスポッと取れます。

 

 

 ガラスとゴム枠を外すと現れるのが大量のタッカー。

これで骨組側のプラスチック枠に幌布を固定しています。

マイナスドライバーなどで一つ一つこじりながら外します。

 

が、しかし

 

タッカーの刃は結構足が長いので片側しか外れません。

あとはペンチで一本一本引っこ抜いていきます。

100本以上はあるでしょうか。

地味で面倒な作業ですがコツをつかむとリズミカルに出来るようになります。

 

で、新しい幌を張ります。

この時点ではまだ窓部分が開いておらずのっぺらぼう状態。

うっすらと枠だけは見えていますので、ここに向けてタッカーを打っていきます。

 

1周打ち終わるとこんな感じ。

ぼっこり凹んだ窓型が気持ちいい、比較的頑張った感が味わえる工程です。

何も考えずに打っていくとしわが寄ってしまうので慎重にバランスを見ながら作業しましょう。

なお、タッカーを打ち付ける枠は比較的硬質なプラスチック製となっておりますので、

手動のタッカーでは全く歯(刃?)が立たないか、刺さってもごく浅くしか入りません。

というわけで、確実な仕事をするためには電動もしくはエア式のタッカーが必要になります。

普通の家庭にはそんなもの無いでしょうし、買うにしても2~3万円はします。

よってゴルフの幌交換を個人で行うのは少々ハードルが高いと言えるでしょう。

 

ちなみに私の愛用タッカーはマキタのリチウムイオンタイプ。

 

職人である父からの教えにより、電動工具は全てマキタ製で統一。

子供の頃から身近にあったので「青緑のボディ=信頼の証」と刷り込まれております。

昔はバッテリー容量の問題もありコード式の工具が多かったですが、

今は大容量リチウムイオン電池が登場したおかげでコードレス化が進み作業もしやすくなりました。

なおこちらの製品、1充電で5000本も打てるらしく、

使い始めに1度充電したきり2年間一度も充電しておりません。

使う必要のある車種が少ないので本数的にはともかく、自己放電の少なさには関心します。

 

次に、ガラスが入る部分をカッターで切り抜きます。

これもなかなかの快感。

あ、幌ってこんなに簡単に切れるのね、という感じです。

 

ガラスを付けたら完成!

と簡単に書いていますが、これが一番大変な作業。

外から中から、様子を見ながら少しずつチマチマと嵌め込んでいきます。

 

というわけで完成しましたが、今回は作業完了が夜となり、

そのままお引渡しとなってしまったので全体写真がありません。

悪しからず。

 

それでは、また。

こんにちは。

しばらく輸入車系が続きましたので今回はZ33のご紹介。

 

何かとトラブルの多いZ33の幌、

一番の原因はゴムバンドの伸びによるところが大きいですが、

今回はゴムバンドを起因とするトラブルの中でもかなり状態が悪かったです。

ゴムバンドが伸びた状態で開閉した結果、

骨組の押さえプレートに無理がかかり激しく変形、

スポット溶接部分も外れてしまっております。

 

ここまで変形・破損してしまうともうにっちもさっちもいかないので、

押さえプレートを取り外してしまいました。

 

が・・・・

なんとビックリ、骨自体も曲がってしまっております。

これが電動幌の恐ろしいところ、引っかかろうが何しようが力技で強行突破。

結果、こんなに激しく変形してしまいました。

 

こちらも負けじと人間パイプベンダーで対抗。

多少の曲がりはあるものの、だいたい元の形状に戻せたかと思います。

まぁ、ここのカーブ形状はそんなに重要では有りませんので。

経験則からだいたいの判断は付きます。

逆に初めての幌交換でこんな局面に出くわしたらもうお手上げですね。

 

なお、押さえプレートがなくても両面テープで固定できますので大丈夫です。

輸入車系の幌は元々両面テープ止めがメインで、

押さえプレート構造を採用しているのはロードスター、S2000、MR-S、Z33だけです。

両面テープだからといって侮ること無かれ、接着剤と遜色ないレベルにくっつきます。

お勧めは日東電工のNo.5000NS。

色々試した結果一番いい感じだったので気に入って使っているのですが、

とあるZ33の作業時に純正採用両面テープの剥離紙(品番入り)が一部残っているのを発見しまして、

なんと私が数ある中からチョイスしたのと同じ5000NSが使用されておりました。

いいなと思っていたバイオリンがストラディバリウスだったときのような満足感。

バイオリンは弾けませんが、きっとそんな感じです。

私の選択は正しかったのだ、と妙にニンマリしました。

 

で、完成。

黒のボディにダークルビーの幌です。

 

私のロードスターと同じカラーリングですね。

奥のS2000はこれからブラウンの幌に張り替えます。

ガレージではVW・ゴルフが作業中。

その他、生地確認でS2000がもう一台ご来店。

この日は特にオープンカーばっかり。

道行く人の視線も集まります。

 

親子。

やっぱり比べるとZ33はデカい。

排気量もパワーも倍です。

 

お客様お帰りです。ウェーイ

やっぱり車は走っている姿のほうがカッコいい。

 

それにしてもZ33の幌はあまりにトラブルが多い。

エンジンはすこぶるご機嫌なだけに残念です。

こちらも精一杯の努力で対策はしておりますが、

元々の構造は変更のしようがないので困ったものです。

 

せめて手動だったらもっと幌の寿命が延ばせるのに・・・

たいてい前述のように力技により自滅してしまいます。

もうモーターを全部取っ払って手動化してしまいたいくらいです。

 

ちなみにZ33の幌は元々手動でも動かせるんですよ。

車両の説明書に故障時の開閉方法が書いてありますので興味がある方は見てみてください。

こんにちは。

今回はアルファロメオ・スパイダー(115型)のご紹介です。

街でまったく見かけない割には比較的依頼が多く、これで5台目くらいになるかと思います。

 

ボートのような伸びやかなスタイリングが特徴です。

こんなにクラシックなスタイリングでも1992年製。

比較的最近まで製造されておりました。

といってももう20年以上も前・・・

90年代に青春時代を過ごしたせいもあってか、

いつまでもついこの間であったかのような感覚が抜けません。

最近は懐メロとか聞きまくりです。

 

トランクはとっても長いので結構荷物が入ると思われます。

ですが、深さはそれほどではありません。

 

メンテナンスの関係もあるのでしょうか、

今までお預かりした同型車の中では格段に乗りやすく、

現代の車に近い感覚で動かすことが出来ました。

慣れてきたのもあるかもしれませんが。

 

リアスクリーンは広大で後方視界良好です。

プラスチックスクリーンは折り曲げ可能なので大きな面積を確保することが可能です。

最近のモデルはガラスがほとんどなので視界が悪くて仕方有りません。

まぁ、幌を開ければ何の問題もないのですが。

ちなみに、このスクリーンは薄いスモークがかかっています。

 

なお、こちらの車両、「え?こんなに綺麗なのに交換するの?」

というくらい元の幌の状態が良かったのですが、裏側を見て納得。

 

裏地がボロボロです。

 

なぜ外部に晒される外側が綺麗なのに内側がこんなにボロボロなのか?

それは内側が綿(コットン)だからです。

天然素材なので、どうしても劣化・分解しやすい模様。

とは言っても、製造から20年以上経過した車ですからそれも止む無し。

十分役目を果たしたといえるでしょう。

 

ちなみに剥がれたコットンの下に見えているのはラバー層です。

外側はアクリル繊維なので目立った劣化はありません。

 

参考までに、Stayfastの内側はこれと同じコットン、

Twillfast IIはコットンとポリエステルの混紡、

TwillfastRPCとGermanA5はポリエステルとなっております。

 

ただ、普通はここまで劣化する前に開閉によるダメージで幌がダメになります。

この劣化を警戒してStayfastを候補から除外する必要はないでしょう。

こちらの車両は車暦全体における幌の開閉頻度があまり高くなかったと思われ、

幌の破損よりも生地の劣化が先行した珍しい例といえるでしょう。

 

さて、年末ということもありまして、幌の売り上げを集計してみました。

これは在庫品として置いている幌のみを集計したもので、

受注生産品は除外されておりますのであらかじめご承知ください。

 

 

まずは

ロードスター(NA/NB)部門

 

形状別でいうと、

ジッパー付き 27.8%

ワンピース 72.2%

値段のせいか、シンプルな形状がうけてか、

7割以上がワンピースという結果になりました。

う~ん、在庫配分を検討しないといけませんね。 

 

色別

ブラック 31.6%

タン 15.1%

ダークブルー 12.6%

ダークルビー 13.9%

ブラウン 2.5%

ブリック 11.4%

バーガンディ 12.6%

 

ブラックが3割を占めておりますが、

それ以外は比較的バランスよく分散しております。

ブラウンが人気無いですねぇ・・・

これはワンピースのブラウンを置いていないせいもあるかもしれません。

 

 

MR-S

色別

ブラック 34.8%

ダークブルー 15.2%

ダークルビー 19.5%

ブリック 15.2%

バーガンディ 15.2%

 

こちらもブラックが3割でその他はだいたい同じくらい。

 

 

Z33

ブラック 25.8%

ダークブルー 10.1%

ダークルビー 25.8%

ダークブラウン 13.8%

ブリック 6.9%

バーガンディ 17.2%

 

こちらはダークルビーが多いのが特徴。

Z33はファッション性が高いせいもあってか、

受注生産も含めてカラフルな傾向にある気がします。

 

 

S2000

ブラック 33.3%

ダークブルー 20%

ダークルビー 33.3%

バーガンディ 13.3%

 

こちらは在庫を置き始めて日が浅いため分母が小さく余り参考にならないのですが、やはり一番人気は黒。

前期と後期で比較すると、思ったよりも後期がよく出ている印象です。

ちょっと前は前期のほうが多かったのですが、

ここに来て後期の幌もダメになり始めたようで需要が増えている模様です。

 

 

今年は多忙や怪我のせいもあって幌交換作業が捗らず、年末年始は幌交換祭りの予定。

お待たせしている皆様、大変ご迷惑をおかけいたします。

順次ご案内しておりますのでもう少々お待ちください。

何卒よろしくお願いいたします。

 

それにしても、文章がダラダラと長くていけないですね。

どうも説明臭くなってしまいまして・・・

自分が読者なら読み飛ばしてしまいそうです。

来年に向けての改善点です。

こんにちは。

今回はアウディA4カブリオレのご紹介です。

ちょうど2台続けて入庫いたしまして、これで合計3台の施工となります。

 

交換の動機は毎度おなじみのこちら・・・

欧州車の定番、ガラス剥離。

 

それから、

接合部の剥離。

どちらも縫わずに貼り付けてあるだけなので経年劣化で剥がれてしまいます。

 

作業中。

 

幌と中綿の接合部。

ジッパーでくっついているのですが普通のジッパーのように端部の留め具がないので糸で縫い付けます。 

基本的に切ったり縫ったりはありませんが、たまにはこういうお裁縫仕事も。

なお、右はドイツからやってきたジッパー、左は米国からやってきたジッパー。

規格さえ合えば、このように違う出身地同士のジッパーもきちんと繋がります。

どうしてなかなか、感動の瞬間ですよ。

 

仕上がりはこちら。

以前も同じようなことを書きましたが、現在のアウディとは異なる端正な顔立ち。

品があって大変よろしいかと思います。

あくまでも控えめにわが道を行くこの頃の立ち居地が個人的には好きでした。

 

A4は4人乗りカブリオレとしては実にバランスのいいプロポーションだと思います。

普通のセダンに近いサイドシルエットですね。

もちろん後席も大人が無理なく座れます。

 

エンジンはV6としては控えめな排気量となる2.4L。

現在の欧州車はエンジンのダウンサイジングが進んでいますので、

こういったコンパクトなV6はもう出てこないかもしれませんね。

 

ちなみに市販車における世界最小のV6エンジンは三菱・ランサーが搭載していた1.6Lの6A10型。

当時の日本車ではV6=高級といったようなイメージ戦略がとられておりまして、

とりあえずV6にしときゃいいだろ的な風潮があったような気がします。

1.6Lという小排気量ならば効率の観点からも直4のほうが有利なのですが、そこはバブル景気。

リアに輝くV6のエンブレムはゴージャスでとてもカッコよかったのです。

当時小学生だった私もV6ブロワムVIPターボ?なんか知らんけどかっこいい!と思っておりました。

 

今は逆にエコ優先、ダウンサイジングの時代ですから、えー?400万も出してテンロクターボかよ!?

ってな感じで当初はずいぶんと違和感を感じましたが、最近ようやく慣れてきました。

それでもフィアットが2気筒エンジン「ツインエア」を出した時はビックリしましたが。

 

幌はStayfastのダークルビーです。

これの前に作業したA4は厚みのあるGermanA5なので少々伸びにくかったですが、

それと比べるとStayfastは伸びがよく、とても張り易いです。

 

こちらが少々伸びにくかったGermanA5のブラック。

純正と同じ黒でシックにまとめました。

 

渋みのある光沢感がGermanA5の特徴。

光沢と言ってもテカテカの光沢ではなく、高級礼服のような深い光沢。

なんとなくわかりますでしょうか?

 

なお、幌のシステム開発はドイツ・カルマン社の手によるものです。

高田工業やトヨタテクノクラフトと同じような、いわゆる自動車架装会社。

フォルクスワーゲン・カルマンギアで有名ですね。

ガラスと接合部が剥がれるという致命的な欠点がありますが、

開閉機構自体は恐ろしいほどに洗練されており、

これ以上の素晴らしいシステムは今までに見たことが有りません。

質実剛健かつ合理的で確実な設計。

 

こういった点に関して言うと日本車の場合、

浅い歴史とそもそもの絶対数が少ないこともあってか、今のところ洗練度が今ひとつな印象です。

ディーラーさんなどでも扱いに慣れておらずASSY交換になるケースが多いので、

結果としてメーカーへのフィードバックもままならず、

対策・改善・ノウハウの蓄積が進まないのが現状かと思われます。

 

また、動力源に関して言うと欧州車はほとんどが油圧ポンプを用いているのに対して、

日本車の場合は複数の電気モーターを組み合わせたものが中心となっています。

電気モーター駆動のほうが比較的簡単・省スペースに作れる反面、

過大な負荷がかかった場合にモーターが焼きつきやすく、

特にZ33あたりですとモーターのトラブルは日常茶飯事です。(明らかに容量が足りない)

その点、油圧は過負荷がかかってもポンプが空回りするだけなので動力系に悪影響を与えません。

 

が、しかし・・・ある程度年数が経つと大抵作動油が漏れる・・・。

 

結局、油圧だろうが電気モーターだろうが、どっちみち壊れます。

というわけで、少々強引な締めくくりですが結論としては手動が一番、ということで。

今回は初のご紹介となるZ32型・日産フェアレディZです。

この車が現行だったころ私は小学生~中学生辺りでしたが、

なんてカッコいい車なんだろうと憧れたものです。

時代はバブル絶頂期でしたし、街でも見かけることも多かったですね。

 

ただ、それでもコンバーチブルは見たことがありませんでした。

今に至るまでただの一度も。

というわけで今回が初めての実車拝見。

う~ん、実に無理のないスタイルでカッコいいです。

いまどきの車と比べるとAピラーがかなりに寝ていますね。

このくらいの年式ですとピアスボルトの付いた2ピースホイールもよく似合います。

 

幌はTwillfastIIのタンです。

洗った直後なので色ムラが出てしまっておりますが、

ちょっとほっとけばすぐ乾いて綺麗になりますのでご心配なく。

三角窓はかなり小さいですが、有ると無いとでは大違い。

死角の解消に大きく貢献します。

ちなみに裏側もタンなのですが、幌とは別に黒い内張りがあるのであまり意味がありませんでした。汗

 

ちょうど庭の緑と調和していい感じですね。

ホイールのデザインもあってか、なんとなくフェラーリっぽくも見えます。

なお、Z32の場合シートベルトがドアに付いているという特殊な構造をしていますので、

幌を開けて窓を全開にしてもシートベルトの内蔵されたドア枠がそのまま残ります。

また、Bピラーからつながるロールバーもそのまま残ります。

ですのでタルガトップとコンバーチブルの合いの子のような見た目となっております。

 

というわけで車好きの私でも今回初めて見たZ32コンバーチブルですが、

あるところにはたくさんあるようで、今まで5台分以上買ってくださったお客様もいらっしゃいます。

いったいどこに隠れているのか・・・・

オープンカーなので普段はガレージに納まっている場合も多いのかもしれませんね。

それでは、また。

こんにちは。

今回は初施工となるポルシェ911(997型)のご紹介です。

といっても997の幌は996後期のガラス幌とほぼ同じものです。

996後期は以前にもご紹介しましたが、一番の難関はやはりガラスの移植でしょう。

 

大部分のガラス幌はガラスも製品に組み込まれた状態で届きますが、

996/997の場合はガラスの枠周りが内装と関係してくる複雑な作りとなっておりまして、

とても社外品で作れるような構造ではありません。

というわけで、純正のガラスを外して、新しい幌に丸ごと移植します。

 

それではレッツスタート。

まずはポジショニングリングという金属の枠に幌を巻き込んで接着していきます。

カーブは特にご用心。

切れ込みを入れてシワが入らないように貼っていきます。

 

接着後は押さえが肝心。

一気に全周やろうとすると貼る前に接着剤が乾いてしまいますので、

分割して少しずつ貼り付けていきます。

この作業は忙しいときには決してやってはいけません。

焦りは失敗のもと。

土曜の昼下がりあたり、特にその後の予定も無いときにのんびりやりましょう。

まぁ私は曜日に関係なくだいたい仕事ですが・・

 

全周貼り終わるとこんな感じ。

とりあえず窓の形が出来上がりました。

 

こちらが移植するガラス。

ゴム枠には雨漏り防止のエプトシーラーを貼りました。

 

部品番号は996から始まっています。

つまり996との共通部品。

ポルシェの部品は型式がそのまま部品番号になっているので分かりやすいですね。

この3桁区切りの部品番号、プジョーなんかも同じなのですが、

電話口などでも伝えやすく、なかなかいいんです。

10桁くらいの数字とアルファベットが混ざったような品番だと、

あれ?どこまで読んだっけ?みたいになってしまい、ミスを誘発しやすいです。

間違えの元をなくす、これも一種のユニバーサルデザインといえるでしょう。

 

ガラスを幌の上に置きまして、その上に内枠を重ねます。

外枠はポジショニングリングのことです。

 

ガラスと枠を重ね合わせたら、このクリップで枠の外周を挟みこんで固定してきます。

 

 

こんな感じです。

数えてませんがだいたい30個くらいはあったと思います。

メッチャクチャ固くてグリグリ押し込んでいく感じなのでどうしても枠にはスリ傷が付きますが、

完全に隠れてしまいますし、雨に塗れるところでもないので心配ご無用です。

純正状態でも結構傷がついていますよ。

 

ちなみにこのクリップ、普通に手で付けようと思っても絶対に付きません。

ペンチなどを使っても無駄です。

ポルシェの工場では専用の特殊工具(SST)があるのでしょうが、

当然そんなもの持っているわけも手に入るわけも無く・・・ですから知恵と工夫で勝負です。

私は数時間悩んだ末編み出した必殺技で簡単に付けらるようになりました。

工具とハサミは使いようです。

 

はい、無事全部留め終えました。

 

カーブも綺麗に仕上がりました。

枠も縫い目も無いのですっきりしていていいですね。

あとは996と同じ手順で付けていけば完成です。

 

はい、出来上がり。

元はブラウンの幌でしたが、GermanA5のボルドー生地に張替えました。

 

幌に合わせて、バンパーやミラーに同色の差し色が入っています。

ディーラーさんも幌がどんな感じに仕上がるか楽しみにしているとか。

はい、餅は餅屋にお任せくださいませ。

といっても私なんぞは出来合いのものを調整してくっつけているだけです。

本物の幌屋さん・内装屋さんは自分で測って型を起こして作ってしまうのですから本当にすごいです。

 

ちなみに、地面にレンガを敷きました。

ちょっとヨーロピアンな感じになって満足です。

特別ヨーロピアーンが好きなわけではありませんが。

 

シワなく均一に仕上がりました。

 

 

ガラス周りも綺麗に出来て満足。

 

 アラが目立ちやすい逆光でも大丈夫。

リアには911としか書いてありませんが、カレラ4です。

よりワイド化されたリアフェンダーがその証。

 

ちなみにオーナーさんは新車から乗られております。

新車だと非っ常ーにお高いです。

でもオーナーさんはお金持ちを鼻にかける訳でもなく実に気さくでいい感じ。

やっぱり車はオモチャのように素直に楽しめなければいけないなと感じました。

 

というわけで私には今のところロードスターが気楽に楽しめる限界。

現金一括で買えて、事故で全損しても金銭的にはさほど気にならず、車検整備もお任せでお願い出来る。

これが我が家の車購入基準です。

その結果、古い車ばかり。笑

こんにちは。

今回はフィアットバルケッタのご紹介です。

この数日前にもバルケッタの施工をしたのですが、夜だったので写真が撮れませんでした。

過去に取り付け例がある組み合わせも写真を撮らない場合が多いので、

他車種も含めて、ご紹介させていただいているのはだいたい全体の1/3~1/4くらいとなっております。

 

さて、というわけで今回は始めての組み合わせ。

ほぼ真っ黒に見えるのですが、濃いブラウン?のようなボディカラーとなっております。

幌は元々赤いビニル幌がついていたのですが、今回はStayfastのバーガンディに交換です。

 

内装も幌と同じ赤を基調としたコーディネートとなっておりまして、非常にお洒落な一台です。

このへんはさすがイタリアだなと感心。

 

実車を見るとそんなに感じないのですが、

写真で真横から見るとバルケッタのボディは意外と厚みがあり、

やや寸詰まり気味なシルエットであるように感じます。

 

逆にユーノスロードスターは丸っこい印象のわりに実は結構ペッタンコで、

特にボディが白の場合は「和式便器」などと呼ばれる所以(?)ともなっております。

ですが、その高さを抑えたサイドラインは当然狙ってやったもので、

ロードスター独特の開放感を生み出す要因となっております。

MR-SやS2000などの囲まれ感の強いオープンカーに乗った人がロードスターに乗ると、

妙な「飛び出し感」を覚え、そわそわと落ち着かないことでしょう。

 

 

話は戻って、バルケッタの幌はトップ先端部分が柔らかく丸みを帯びているのが特徴で、

その独特の丸みを出すために、中にはこのような厚めのスポンジシートが入っております。

今回は幌の破損によりスポンジが一部えぐれてしまっており、

そのまま張ると恐らく幌に凹みが出来てしまいます。

そこで、ちょうど同じような厚みだったエプトシーラーを損傷部に合わせてカットし嵌め込み、

フラットになるように調整してから取り付けさせていただきました。

その甲斐あって、外から見ると全くわからない綺麗な状態に張り上がりました。

 

それでは、また。

こんにちは。

 

無事復活を果たした店長ロードスター。

ホイールを交換して結構いい感じに仕上がったので手前味噌ではございますがご紹介いたします。

 

平成8年式のNA8Cシリーズ2です。

色はブリリアントブラック。

幌はStayfastのダークルビー。

アンテナはタケノコみたいな電動アンテナが嫌だったので純正のロッド式に交換してあります。

ラジコンみたいでお気に入り。

 

マフラーはフジツボのレガリスR。

低音重視であまりうるさくなくいい感じなのですが、

最近は内部のグラスウールが減ってきたのか音が大きめになっている気がします。

 

足回りはKONIのファーベルクキット1130装着で前後とも35mmダウン。

少々下がりすぎなのでそのうちバネを交換したいと考えています。

とはいえ、しっとりとしたKONIの乗り心地はお気に入りです。

 

ホイールはドイツATS社のDTC、15インチ 7J +35 ブロンズです。

NAはやっぱり14インチでしょ!とか言ってた割にはあっさり方向転換。

やや重いという評価の多いホイールですが、個人的には全く問題ありません。

VRリミテッドの純正15インチはもっと重いですし、十分許容範囲かと思います。

もう10mmかそこら外に出すとだいたいツライチになるらしいのですが、

あまりカリカリなのは好きではないので個人的にはこれくらいでちょうどいいです。

幌に合わせて赤いナットをチョイスしてみたものの、ちょっと鮮やか過ぎました。

 

タイヤはあえてグリップの期待できないダンロップ・ルマン LM704 195/50R15をチョイス。

発売当時純正装着だったダンロップSP Sports D89のグリップを考えても、

ノーマルのNAロードスターにはこの程度で十分ではないかと思います。

 

ホイールがややスポーティ気味になったので、メッキミラーが似合わなくなってきました。

レーシング系のミラーにしようかなと思いますが、どれもみなカーボン製でちょっとレーシー過ぎます。

もう少しじっくり探してみたいと思います。

 

35mmダウンしてもまだまだ高いロードスターの鼻先。

というわけでやはり定番のBリップが欲しくなります。

人と同じなのは極力避けたいのですが、それでもやっぱり魅力的なBリップ。

やはり純正のデザイナーはレベルが高いです。

FDの純正リアスポイラーなんかも単体で見ると変な形なのですが、

実車に付くとものすごく統一感があってかっこいいです。

あんなデザインが22年も前に出たのですから驚きを禁じ得ません。

 

 

はい、というわけで、

黒ボディ・ダークルビー幌・ブロンズホイールの組み合わせは結構いいかなと思うのですがいかがでしょう?

幌交換をお考えの方は参考にしていただければと思います。

こんにちは。

猛暑もひと段落し、朝晩はだいぶ涼しくなってまいりましたね。

 

さて、今回はフィアット・バルケッタのご紹介です。

 

色は私の最も好きな組み合わせの一つ。。。

オレンジのボディにダークブルーの幌を組み合わせました。

この組み合わせ、すごい好きです。

奇抜なデザインのバルケッタなので余計に引き立ちますね。

 

他の何にも似ていないリアデザイン。

ハイマウントストップランプをここまで積極的に目立たせた車は見たことがありません。

どことなくウルトラマンっぽさを感じます。

 

オーナーさんは小学生の息子さんと二人で来られ一部作業を見学されましたが、

お父さんのDNAを受け継いだ息子さんはこの車が大好きな様子で、

幌交換の作業も興味深げに見ておりました。

将来有望でいいですね~。

最近は「こんなポンコツいらねーよ!」なんて言わるケースが多いようなので・・・

うちの子供も今のところは好きみたいですが将来はどうなるやら。

まぁ無理強いする気はありません。

家計にもやさしくないですし。。

 

 

さて、以前より計画を進めておりました<家計にやさしくない>Myロードスター復活作戦。

ここ数年預かってもらっていた埼玉の実家より、

「もうすぐ稲刈りで邪魔だからどうにかして」との容赦ない指摘を受け、

ついに物置の奥よりカムバックを果たしました。

結局資金確保(小遣い貯金)は間に合わなかったので、家庭内ローンにて強制復活です。

ここ最近2年間はエンジンさえまともにかけておりませんでしたが、なんら問題なく始動し絶好調。

 

幌は4年前に張り替えたStayfastのダークルビーです。

張り替えたきりほとんど乗っていないのでほぼ新品状態ですが、

これからガンガン使い倒して耐久性をテストしていくつもりです。

 

当面の目標はBリップスポイラー装着とドアミラー交換、シートの交換あたりです。

ノーマル好きを公言していたわりには、車両を目の前にすると俄然物欲が沸いてきまして・・・

 

私の小遣いは基本給+成果報酬制なので、

幌交換の作業をさせていただくにつれロードスターがグレードアップしていく予定です。

パーツレビューを兼ねて掲載していきますので、興味があったら見てみてください。

 

それでは、また。

今回はボルボ C70のご紹介です。

以前もご紹介しましたので今回で2例目となります。

 

お洒落なワインレッドのボディ。

幌はTwillfast IIのライトオークです。

元々付いていた幌とだいたい同じような色合いです。

ちなみに洗った直後なので少し色ムラがあります。

 

Bピラー?より後ろが非常に長くなっております。

これにより大人4人が快適に乗れる空間が確保されているわけですね。

ちなみに右側に出ている黄緑色の葉っぱ、ニセアカシアといいます。

常に新緑のような爽やかな風合いが楽しめて非常に気に入っているのですが成長力が半端ではありません。

剪定しても剪定しても、いくらでも延びてきます。

1シーズンに3回くらいは剪定が必要な恐ろしい木です。(しかもトゲ付き)

 

交換理由は毎度おなじみリアガラスの剥離。

今後はガラス脱落永久保証が適用されますし安心してご利用いただけます。

 

ここでガラス脱落永久保証のカラクリを少しご紹介。

永久保証なんてしたら将来会社がヤバイんじゃないか?という気がしますが、

「最初の購入者にしか適用されない」という文言があるのがポイント。

他の人に譲渡したらそこで保証は終了ということです。

普通、同じ車に10年も20年も乗り続ける人はあまり多くはありません。

ですので、もし実際に剥がれてしまったとしても保証適用案件となる可能性はかなり低いわけです。

 

ちなみにオーナーさんはこの車をとても気に入っているのでずっとずーっと乗り続けるそうです。

ぜひガラスが剥がれるまで頑張って乗ってください。笑

 

引き取りはオーナーさんと奥様、二人で来られましたが、

奥様がとても無邪気に喜んでらっしゃいまして、こちらとしても大変微笑ましく思いました。

このリアクション、只者ではない!?と思っていたら、奥様は舞台経験があるのだそうです。

なるほど、それで感情表現が上手いわけですね。

私なんかはどんなに嬉しくても期待されたほどのリアクションは出てこないので、

少し見習いたいなとおもいました。

 

それでは、また。